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2023年03月03週
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(前週よりのつづき)
なぜ、この2つの町だったか。答えはとっても簡単です。住民のすべてが避難した、人の住まない(住めない)町だったからです。もちろん、もう一つの理由は、そんな「危険」なものを、たとえ30年の期限付きの「中間」であっても、受け入れそうなところは、どこにもなかったからです。
 今、福島復興再生拠点が設けられ、その整備が進められている双葉町や大熊町が、もし「復興再生」を本当に願い、それを実現する(したい)のであれば、既に危険であるそれらの町に、「中間」とは言え、更に大量の汚染土壌や廃棄物を持ち込むことは、町というもののあるべき姿を再生する政策・理念とどんな意味でも矛盾しています。
 東電福島で起こってしまった、燃料が熔融する(メルトダウン)事故で、その後の対応を何よりも難しくしているのは、既に述べてきたとおり、閉じ込めることができなくなった放射性物質が、その処理はもちろん、降り注いでしまった放射性物質もまた、どんな意味でもその毒・危険を取り去ることができないことです。そして、最も困難なのは、その中心・中核部分である燃料や溶融(メルトダウン)し、燃料その他が固まっているとされるその部分が、超高濃度の放射性物質で、どんな意味でも確認を妨げていることです。
 そんな放射性物質の広い範囲に及ぶ処理不能の現実も、多岐に及ぶその現実・事実も既に述べた通りです。
 にもかかわらず、「科学者」によってこの事故の事故対策についてまとめられたのが「福島第一原発廃炉図鑑」(開沼悟編、太田出版2016年)です。

「…廃炉図鑑」は、その使用法について、示唆すると同時に、そもそも、この図鑑を製作する意図として、「いかに福島第一原発は『言葉の空白地帯』なのか」、そしてその「空白」が、たとえば「福島第一原発の廃炉」という時、それが「批評」に値するものではなく、「そのステレオタイプなイメージが、『抽象的でモンスター化した3.11』のイメージをひたすら膨張させるからだ」と言います。そして「本来は現場に具体的に存在する人や風景を直視することの中で『具体的な3.11』をあぶり出し、そこにある課題を解決し希望を見出すべきだ。しかし、『抽象的でモンスター化した3.11』のイメージの膨張が進むほど、とらえるべき実態はぼやけ、『魔術的な語り』が幅を利かせ、問題解決の端緒の発見は遅れる。いまこそ『福島第一原発の廃炉の現場』を詳細に描くことを通して、『具体的な3.11』を多くの人で共有しなければならない」。
 この文書をまとめている「私」は、「廃炉図鑑」の「はじめに」の「…何かしたいんだけど、何をしたらいいのかわからない」くらいの位置にはいますが、あの時の爆発の恐怖から、そこで起こっているのは「何か」を、主にして地元の新聞に書かれている断片を元に「批評」してきました。そして、その都度言えることは「廃炉」などという言葉は、どんな意味でも導き出せないということでした。もちろん、あの事故が、言われている「…廃炉の現場」からだけでは、決して批評し得ないこと、も明らかです。
 なぜなら、東電福島の重大事故が根源的に突き付けているのは、完全に閉じ込めることでしか稼働できない、原子力発電という技術が、そして人間の技術である限り、あり得ない技術がその限界を露わにしたのであって、当然、閉じ込められなくなった放射性物質は、処理不能のまま、広く環境中に残り続けています。
 「廃炉」が問題になっている、東電福島からは、閉じ込めることのできない放射性物質の放出が今も続いています。
 それこそが「本来は現場に具体的に存在する風景」なのですが、それをどう「直視」してみたとしても、処理不能なものは処理不能と言うよりありません。
 その結果、放射性物質の海洋への放出を、そのあるべき科学的判断ではなく、政治的判断で海洋放出を決めてしまいます。要するに「直視」すれば、「『具体的な3.11』をあぶり出し、そこにある課題を解決し希望を見出す」ことなどあり得ないのに、逆を突き進んでいるのが、「廃炉図鑑」が展望しようとする「現場」理解です。
(次週につづく)
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