別に、こうした「アクシデントマネジメントの整備の結果」それでも考えられるシビアアクシデントの頻度について言及しています。
「…最近の加圧水型原子炉(PWR)(80万kW級3ループ)に関する確率的安全評価」に評価結果として、「炉心損傷頻度が約10-7/炉年(約1000万年に1回)、格納容器機能喪失頻度が約10-8/炉年(約1億年に1回)」。
東電福島の重大事故(シビアアクシデント)は、「想定外の大津波」によって「外部電源や非常用ディーゼル発電機の機能が失われ」「隣接する原子炉の非常用ディーゼル発電機からの電力供給」も失われた結果の「想定外の重大事故」とされ、国や東電はその意味の事故責任・刑事責任は一切問われないことになりました。
それが、地裁、高裁、最高裁のこの事件の判決です。
「想定外」ということで。
「…2011年3月11日の東日本大震災のとき、東京電力福島第一原子力発電所で起きた事故に多くの人が『想定外』という言葉を使いました。そのとき違和感を覚えたことも、ついこの間のことのようです。『思いがけないことは起きるものであり、想定外という言葉はおごりの気持ち以外のなにものでもない』と技術者である友人に語ったことももちろん忘れていません」「自然や人間に直接触れて働いている人を思い浮かべるのが社会をつくるうえで大切です」「『思いもよらない』と書きましたが、これを書きながら正直なところ『またか』と思っています。自然はいつだって思いがけないものであり、機械に慣れてしまって、思いどおりに動くのがあたりまえと考えて行動してはいけないと、これまで何度考えたかもしれません」(「宮沢賢治で生命誌を読む」中村桂子コレクション、Ⅶ、藤原書店)。
原子力発電所の建設、稼働にあたって、それが扱う放射性物質は「生きもののいのち」を、一瞬にして破壊することが「想定」される為、圧力容器、格納容器、そして建屋によって閉じ込め、さらにどんな意味でも、それを冷却する為の装置を稼働する為の「電力」が不可欠であり、その電力の供給も2重・3重に備える為の「多重防護」が前提になっています。しかし、こうして前提とされる「多重防護」が、人間が放射性物質を扱う。
・4月25日 「大熊の中間貯蔵敷地内/建物、遺構化を検討、町調査へ」「採取デブリ0.2グラム、第一原発2号機、東電発表」「汚染水1日70トン、過去最少を更新、第一原発2024年度、発生量」
・4月26日 「環境省、除染土再利用理解を、飯舘・長泥に広報施設開所」「第一原発、採取デブリを輸送」
・4月30日 「飯舘・長泥の一部避難解除あす2年、営農再開へ試験栽培、除染土再生利用、検証進む」
・5月3日 「原発稼働率事故後最高、32%、2024年度内2基再開、トラブルなく」
(次週につづく)
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