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小さな手大きな手

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2015年05月02週
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「昆虫記」
「今森光彦/世界昆虫記」
「今森光彦のたのしい切り紙」
「切り紙 12か月」
「魔法のはさみ/今森光彦の切り紙美術館」
「今森光彦/自然と暮らす切り紙の世界」

 1988年、出版されて間もない「昆虫記」(今森光彦、福音館)を手にして、昆虫たちと著者・写真家の今森光彦さんが身近になりました。子どもの頃から、昆虫は得意ではありませんでした。戦争に負けた後の日本の田舎で、いなごは子どもたちにも食用でしたが、蛾の場合、ひっついたり飛び散ったりする(ように思えた)鱗粉で、手が出せませんでした。身近にたくさんいた昆虫で、名前が言えるのは、ありやかまきり、とんぼやせみの仲間たちの数種類でした。「昆虫記」で子どもの頃から出会っていた名もなき昆虫たちに、名前があること、生きた生活があること、それぞれに生命の歴史があるのを知ることになりました。生命を受けて、その生命をつないで行く時の神秘も、「昆虫記」には写真で描かれていました。生きた昆虫は、今も少なからず得意ではありませんが、生きものの仲間であることを確信しています。
 「昆虫記」から6年後の1994年に出版されたのが「今森光彦/世界昆虫記」です。まさしく世界に飛び、世界を歩き回って、昆虫と昆虫の生きる世界、人間たちと出会った写真の記録が「世界昆虫記」です。この世界に存在する「生類」中でも昆虫に、並々ならぬ好奇心で、これでもかこれでもかと出会い続けた、人間と昆虫の記録です。小さな昆虫には、その小ささに極限まで迫り、擬態という演技で自然界の「生類」であり続けようとする虫たちも、欠くことのできない「世界昆虫記」なのです。
 「昆虫記」や「世界昆虫記」で、昆虫たちの世界への扉が開かれ、滋賀県高島にある今森光彦さんの雑木林を中心とする、昆虫・自然観察会に参加することになりました。その時の、朝食の後のひと時に見てしまったのが、今森光彦さんの昆虫の切り紙でした。確か、とんぼとくわがただったと思いますが、色紙が、手にしたハサミであれよあれよと言う間に、間違いなくとんぼとくわがたになっていたのです。下書きの印一つ無いにもかかわらずです。そんなことがあって、しばらくして見つけたのが「今森光彦のたのしい切り紙」(山と渓谷社)です。昆虫の写真の名人は、昆虫の切り絵でも名人だったのです。そして続々と、切り絵の昆虫たちの絵本、昆虫を切り紙で切る指南書も出版されることになりました。
 その今森光彦さんを幼稚園にお呼びすることになったのが、2010年、2011年には、今森光彦さんの昆虫・鳥・動物たちの世界が「魔法のはさみ」の切り紙美術館になって、博多で開催されることになり、博多まで出かけ、今森光彦さんとお会いすることもできました。
 目の表情で語り、羽根で飛ぶという具合に、生きてそこにいるように、はさみで切り込んで表現するのが「魔法のはさみ/今森光彦の切り紙美術館」だったのです。鳥や昆虫は、単独で切り紙にもなっていますが、生きた仲間、生きる場所も描かれるという意味で、今森光彦さんの切り紙は「生類の世界」です。
 そんな今森光彦さんの「今森光彦/自然と暮らす切り紙の世界」が「美術館『えき』KYOTO」で開催される案内が届いたので、都合2回出かけることになりました。鳥たちや昆虫たちの表情と飛翔する様子のすべてを、切り紙で表現しきるという途方もない作業に渾身の力で取り組んだ作品の「自然と暮らす切り紙の世界展」だったように思えました。立ち止まって凝視しなくては見えてこない、「途方もない作品の渾身の力で作品」は、子どもたちなりに、その片鱗を心にきざんだにちがいありません。そのように、信じるに値する作品の展示が2015年4月2日~21日の「今森光彦/自然と暮らす切り紙の世界」でした。それが途方もない作者の渾身の力で取り組んだ作品であるにもかかわらず、ちっとも悲壮感がないのは、自然と暮らす今森光彦さんの生活が、いい時間の流れるかけがえのない「生類」たちとの営みであるからのように思えました。





 
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